ニュース&記者コラム

【松戸GⅠ最終日決勝】水菜 初代女王

 ガールズケイリンの新設GⅠ「第1回オールガールズクラシック」の決勝戦が4日、松戸競輪場で行われ、2コーナー6番手から捲り上げた佐藤水菜(24=神奈川・114期)が押し切りGⅠ初優勝。初代女王に輝き、優勝賞金700万円とガールズグランプリ(12月29日、立川競輪場)の出場権を手にした。2着は吉川美穂、3着は久米詩で、GⅠ連覇を狙った児玉碧衣は4着に敗れた。

 雨が激しく降る中、ガールズ最強のメンバーによる大一番を制したのは〝世界の水菜〟だった。周回中は6番手の位置でじっと前の動きを見る。児玉が打鐘前のバックからスパートで先行態勢に。前にいた太田が捲り上げると続いて最終2角から自ら踏み込み、スピードの違いを見せて大外を伸び切った。

 「バンクは軽く感じたのでみんなが行ってからでも遅くないと冷静でした。4コーナーで隣の選手が見えなくなったので勝てたと思いました」

 終わってみれば底力を見せつけて圧巻の勝利。ただ今回を迎えるにあたっては不安もあった。アジア大会ケイリン、スプリントで2冠に輝いたが、日本に帰ってきたのは前検日の前日9月30日の夜。疲れが残っていると話した。それでも予選、準決勝と圧巻のスピードで勝ち上がって手応えをつかみ、気持ちを集中させて最後は初のGⅠV、年末のガールズグランプリ出場権を獲得した。

 決勝戦の前日インタビューではご褒美(練習のないオフ)が待っていると話したが「完全に自転車に乗らないのは明日(5日)と土日の3日間です」と、わずかな休日は愛犬とのリフレッシュですぐにナショナルチームでのハードな練習が待つ。

 「来年のネーションズカップへ向けて練習のし直しです」とあくまで佐藤の最大の目標は来年のパリ五輪だ。もちろん次のGⅠ競輪祭女子王座戦、グランプリでも世界基準のスピードでライバルを寄せ付けない。(緒方 泰士)

 ◆佐藤 水菜(さとう・みな)1998年(平10)12月7日生まれ、神奈川県茅ケ崎市出身の24歳。県立茅ケ崎高卒。通算成績は272戦193勝。通算取得賞金は7026万円。主な優勝はガールズコレクション京王閣(21年)、ガールズアルテミス賞(21年)、ガールズフェスティバル(22年)、ガールズドリーム(22年)、ガールズコレクション別府(23年)。第1回オールガールズクラシック(23年)。1㍍63、59㌔。血液型A。

 ◆次走 優勝した佐藤水菜は11月21~23日の小倉競輪祭、2着の吉川美穂は14~16日の和歌山、3着の久米詩は12~14日の青森。

 ◆売り上げ 3日間の売り上げは30億3670万3700円で、目標額の25億円を大きく上回った。

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